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वयधम्मा सङ्खारा, अप्पमादेन सम्पादेथ
すべてのものは無常です 精進し成就させてください
社会の中でのヴィパッサナー

自分の平和のために 世界の平和のために
古代インドは、世界に向けて平和と調和のメッセージを発信しただけでなく、それを実現するための方法も示しました。社会に、真の平和をもたらすには、個人の存在を抜きにして語ることはできません。S.N.ゴエンカ氏は、次のように繰り返し説いています。「もし、個人の心に平和がなければ、世界に本当の平和はありえない」
たしかに怒りや憎しみ、悪意や敵意があるような乱れた心のままでは平和を広げることはできません。だからこそ悟りを開いた人々は「汝自身を知れ」と教えてきました。それは、単に知的に理解したり、感情的・信仰的に受け入れたりすることではありません。実際に自分の内面を観察し体験的に真実を理解したときにこそ心に本当の平和が訪れるのです。
そのためブッダは、八正道を示しました。その中で中核をなす三つの柱が、シーラ(道徳律)、サマーディ(集中)、そしてパンニャー(智慧)、すなわちプラグニャー(洞察による心の浄化)です。
ヴィパッサナー瞑想は、ブッダの教えの実践的な本質です。これは知的な楽しみや哲学的な議論のための理論ではなく、感情的、信仰的なものでもありません。現実的で理性のある、そして科学的で非宗派であり、結果に基づく実践法です。
ヴィパッサナーを実践すると、内なる真実に触れて心と身体がどのように相互に影響し合っているかを深く理解するようになります。この実践を通して、心の不純なものが取り除かれ、心が清らかに変化していきます。その変化は、魔法や奇跡によるものではなく、心と物質の相互作用を客観的に観察することで得られる、純粋な内面の科学なのです。
たとえば、心が否定的な思いを抱けば苦しみが生まれますが、その否定的な思いが取り除かれると、心には平和と調和が訪れます。このようにして自然の法則がありのままに明らかになっていくのです。
一人ひとりが心を平和にし、道徳律を守って生きるならば、やがて社会全体が理想的な幸福で平和なものになっていくでしょう。結局のところ、社会とは個人の集まりなのですから。
ヴィパッサナーが社会とどのように関わっているのか、さらに詳しく知りたい方は、こちら(英語サイト)をご覧ください。
自己変容のための生きる技
ブッダの教えにおいて、最も重要な存在は人間です。そして、人間を語るときには心が中心となり、その心において最も大切なのは純粋さです。純粋な愛や慈しみの心を育むためには、まず心そのものが清らかでなければなりません。そのためには、心の奥深くにある不純なものを根本から取り除く必要があります。なぜなら、心の根底には不純なものを生み出し、さらにそれを増幅させる源があるからです。この習慣的な心の反応パターンが変わらなければ、不純なものは残り続け、人は真に変わることができません。そして人が変わらなければ、社会も世界も変わることはないのです。この根本的な問題に対して、ブッダは正面から向き合いました。苦しみの根源にある不純な心の根本を取り除くために、ブッダが再発見したのが、ヴィパッサナー瞑想という実践法でした。
この古代の瞑想技法は、いま再び世界各地に広がり、インドをはじめ、世界中で何百万人の人々がヴィパッサナーのコースに参加しています。文化や伝統、宗教を問わず、さまざまな背景を持つ人々がこの技法を学び、同じように恩恵を受けています。「自分自身を、自分のために、自分の力で知る」とのバランスの取れた洞察は、実践者が自分自身と他者との間に調和を築き、平和に生きることを助けます。コース終了時には、多くの人が心の変化を実感し、ストレスの軽減や平静心の高まりが見られます。そのほかの一般的な効果としては、集中力や仕事の効率の向上、前向きな行動への変化、より効果的な意思決定、穏やかな話し方、そして他者に対する調和的な感情の増加などが挙げられます。
この智慧は、理論ではなく実際の体験を通して得られるため、偏見は慈しみの心に、他人の成功への嫉妬は喜びへ、そして貪欲や高慢さは寛容さや謙虚さへと自然に変わっていきます。この内面的な変化こそが、ヴィパッサナー瞑想がもたらす本当の変革なのです。
さらに、ヴィパッサナーは、多くの人々が依存症や複雑な問題、抑うつ、慢性疾患、そして心身症などから抜け出す手助けにもなっています。心がポジティブに変化することで、身体的な健康も自然に改善されます。
ヴィパッサナーの実践によって、多くの受講者が、人生を揺るがすような状況や困難、病気、さらには死に直面したときにも、深い平静心を保つことができたのです。
ヴィパッサナーが日常生活にどのような影響を与えているのか、また関連する研究論文や記事をお読みになりたい方は、
こちら(英語サイト)をご覧ください。
ヴィパッサナー 社会統合のための強力なツール
ブッダの教えは、空虚な理想主義によるユートピア的な夢ではありません。争いに満ちた現代社会において、大きな統合の力を持つ現実的な教えです。このことは、過去46年間にわたる実践によってすでに証明されています。宗教、カースト、地域社会、社会的地位、さらには国や文化に属する人々や指導者たちが、ヴィパッサナーコースに多数参加してきました。
経済的・社会的な地位にかかわらず、ブッダの教えを真摯に実践する人は、決して誰かを差別することはありません。参加者たちは、いわゆる高い、低いといった社会的な地位の違いや、不可触民という社会慣習さえも超えて、ともに瞑想をし、ともに食事をとります。まさにこれは、ブッダの教えが実生活の中で実践されている姿です。こうした平等と一体感が、理念上だけでなく、現実の場において実際に見られることは、大きな希望と励ましとなります。
支流が一つの川へと合流するように、ブッダの教えは、シーラ、サマーディ、パンニャー、すなわちプラグニャーという三つの柱が結びついた、実践的な融合です。これらはすべて、宗派を超えた普遍的なものです。だからこそ、ブッダの時代にも、そして現代においても、さまざまな宗派や伝統、国や文化に属する人々が、自ら進んでヴィパッサナーを実践し、同じようにその恩恵を享受しているのです。
特に注目すべきなのは、これまでに何千人ものキリスト教の神父や修道女、数え切れないほどのジャイナ教のムニ(僧)やサードヴィ(尼僧)、さらには多くのヒンドゥー教や仏教の僧侶や尼僧が、ヴィパッサナーのコースに参加してきたという事実です。こうした宗教に属する一般の家庭の人々も、すでに数十万人にのぼっており、その数は今も年々増え続けています。
このように、宗派を超えた科学的なブッダの教えが広く普及していることは、社会的統合を実現するための、具体的で実践的な方法と言えるでしょう。というのも、覚者の教えを段階的に体験していくなかで、人はもはや、カーストや共同体、宗派、性別、社会的地位といった差別の根拠を信じることができなくなるからです。
ヴィパッサナー 改革のための道具として
ヴィパッサナーによる改革の役割は、大きく三つに分けられます。
第一に、行動に現れる否定的な精神状態の根本原因である心の不純なものを取り除く助けとなります。
第二に、困難な状況にある人々が、その苦しみを耐え忍ぶ手助けとなります。
第三に、そうした人々を支える立場にある、社会福祉関係者や医師といった人々を内面的に強くする支えとなります。
その具体的な一例が、刑務所における改善活動です。インドのティハール刑務所で行われたコースでは、受刑者と職員の双方に規律の向上と調和がありました。両者がともに自己観察の技法を学んだ成果です。
このような刑務所内でのヴィパッサナー実践は、古代アショーカ王の時代にも行われていたと言われています。そして今、数千年の時を経て、心の浄化を目指すこの技法は、再び社会の中で最も苦しみに満ちた層に届くようになったのです。歴史的な第1回目のヴィパッサナー・コースは、1975年、インド、ラージャスターン州ジャイプールの中央刑務所でした。このコースには受刑者、裁判待ちの人々、凶悪犯が参加しましたが、彼らは鉄の鎖以上に強固であった怒り、憎しみ、悪意といった心の習慣的なパターンからの解放の鍵を受け取ったのです。
自らの内なる現実を体験することで、多くの受刑者たちは深い変容を遂げてきました。インド、ネパール、カナダ、コロンビア、イスラエル、タイ、イギリス、アメリカなどの刑務所で実施されたヴィパッサナーコースは、受刑者の人生を改善するうえで大きな役割を果たしています。この瞑想によって、敵意や無力感が減少し、心の安定と希望がもたらされました。
受刑者たちは、心の内面を改善するだけでなく、出所後には社会に役に立つ存在となることを目指しています。実際に、釈放後にヴィパッサナーコースの奉仕に参加する人や、被害者の家族を訪ねて謝罪をする人、被害者の家族の世話をする人さえ現れています。
インド国内の多くの刑務所では、改革の一環として受刑者向けのヴィパッサナーコースが開催されています。また、アメリカやイギリスなど他国の刑務所でも導入が始まっています。全国の多くの刑務官たちは、ヴィパッサナーの実践が社会に広まることで、犯罪の予防につながると認識しています。予防は、治療に勝るのです。
受刑者の体験談や関連する記事、研究論文も数多く存在しています。
また、インドではハンセン病患者を対象にヴィパッサナーコースが実施され、彼らの人生に対する態度が改善されました。以前のように強い劣等感を抱くことが減り、表情に笑顔が戻ってきました。
インドやネパールでは視覚障がい者の方々にも、ヴィパッサナーの効果が見られました。ギャンブル、タバコ、その他の嗜癖物、さらには薬物依存に苦しんでいた人々も、この技法の助けによって、依存から解放されています。
スイスやオーストラリアの政府の支援により、この分野における取り組みも進められてきました。ヴィパッサナーが依存症に与える影響、回復者の体験、関連する研究も各国で積み重ねられています。
ヴィパッサナーと依存症
依存症は、世界中の国々やコミュニティにおいて最も深刻な問題の一つです。薬物や物質に限定されず、普遍的です。どんなものでも依存の対象なり得ます。—権力、性的欲望、人間関係、そして精神的な対象も含まれます。
依存症における核心的な問題は「渇望」です。依存症の人々は、自分が依存していることを知識としては理解しています。しかし、自分を変えることができません。なぜなら、渇望からの解放は単なる知的理解では達成できないからです。依存症の原因は、心と物質の無意識領域に根ざしています。
依存症からの回復には、多面的なアプローチ(システミックセラピー、伝記的作業、教育、スポーツなど)が必要とされます。しかし、渇望自体は心と物質が相互作用するレベルで理解し、変えなければなりません。そうでなければ、渇望が残ったままでは、あらゆる努力が無駄になり、さらなる苦しみ(物質乱用、強迫的ギャンブルなど)が予め設定されたものとして繰り返されます。
これが渇望の最も深い理解へと繋がります。ブッダによれば、心に生じるすべてのものは、感覚と共に流れます(アンゴッタラ・ニカーヤ 8, ムーラカ・スッタ)。感覚は、その実相—無常、苦、無我—を理解するために客観的に観察されなければなりません。つまり、依存症とは、物理的な対象に対する依存ではなく、その対象から生じる感覚に対する依存なのです(例:アルコールやタバコ)。渇望の真の対象は渇望そのものであり、渇望にはそれに伴う感覚が生じ、悪循環が始まります。この見解は神経生物学的な発見とも一致しています。薬物の使用は、この渇望と反応の連続過程の非常に不快な結果です。ダンマによれば、感覚に対して渇望や嫌悪で反応せず、智慧と平静心を育てることで、その感覚はやがて消え去り、さらなる渇望の種を含む心の部分も共に消え去ります。こうして、渇望と反応の習慣的なパターンが変わり始めるのです。
この科学的な技法を用いることで、ギャンブルやタバコ、その他の嗜好品、さらには薬物に依存していた人々が、その依存から解放されました。スイスやオーストラリアの政府の協力により、この方向で多くの成果が上がっています。ヴィパッサナー瞑想とアーナーパーナ瞑想は、危機に直面した際、依存者が深刻な再発を防ぐための抑止力として非常に重要です。
ヴィパッサナーとビジネス:企業経営の技法
受刑者、路上生活者、世界の貧困層から、最も裕福な層に至るまで、誰もがヴィパッサナーから同じ有益な結果を得ています。ダンマは、すべての人に平等です。私たちは皆、自分の心の否定的な習慣に囚われており、ヴィパッサナーの実践によって、心の根本からその否定性を根絶することで苦しみから解放されます。
多くの企業の大物や経営幹部、トップマネジメント層が10日間のヴィパッサナーコースに参加し、ヴィパッサナーをビジネスマネジメントや個人の成長に役立つツールとして評価しています。
ネパールの著名な実業家、Dr. Roop Jyotiは次のように述べています。「ヴィパッサナーはストレス管理の技法です。ヴィパッサナーは人材管理の技法です。ヴィパッサナーは紛争管理の技法です。マネジメントには他にも科学的な要素があるかもしれませんが、ヴィパッサナーはほぼ完全な企業管理の技法になり得ます。」
多くの経営者は、ヴィパッサナーを実践することで、業務遂行能力が向上し、貪欲、怒り、傲慢、偏見が大幅に減少したと報告しています。また、スタッフとの摩擦も減り、企業の財産が着実に増加しているといいます。このようなポジティブな変化と調和の取れた人間関係によって、企業の繁栄が促進されました。
ヴィパッサナーの効果を目の当たりにした多くの企業や非営利団体が、従業員がヴィパッサナー瞑想コースに参加するために有給休暇を提供するようになっています。ある企業はこれをトレーニングプログラムとして取り扱い、またある企業は人材育成活動の一環として、さらに他の企業は従業員福祉の一環として導入しています。ヴィパッサナーによって、対立や不必要な衝突が減少しました。結局のところ、ヴィパッサナーは人を幸福にし、幸福な個人が幸福な組織を作ります。従業員は、ヴィパッサナーを学ぶ機会を与えられたことに感謝し、その結果として生産性の向上と士気の向上が企業にもたらされます。ビジネスにおけるヴィパッサナーの影響に関する記事や研究論文の詳細については、こちらをクリックしてください。
世界中のセンターでは、プロフェッショナル向けの専用コースが開催されています。ゴエンカジの願いは、都市部でプロフェッショナルやエグゼクティブ向けにヴィパッサナーコースを実施するためのセンターを設立し、彼らに純粋なダンマの恩恵を享受してもらうことでした。このビジョンに基づき、インド・ムンバイにダンマ・パッタナ(Dhamma Pattana)とダンマ・ヴィプラ(Dhamma Vipula)という2つのセンターが建設されました。これにより、社会のあらゆる層にヴィパッサナーを広める重要な役割を果たしています。この取り組みは、世界中の高官やビジネスエグゼクティブからも好評を得ています。エグゼクティブ向けコースの詳細については、こちらをクリックしてください。
政府におけるヴィパッサナー
遠い昔、紀元前3世紀、インドの偉大な皇帝アショーカは、ヴィパッサナーを彼の広大な帝国の統治改革の道具として用いました。彼の行政や国家の運営において、信仰、愛、寛大さ、高い道徳規律が反映されていました。アショーカは、効率的で人道的かつ公共の利益に応じる政府システムを築き、人類の歴史に類を見ない統治を実現しました。
近代では、優れたヴィパッサナーの師であるサヤジ・ウ・バ・キン氏が、さまざまな政府機関において画期的な改革を導入しました。彼は汚職を根絶し、効率を高め、意思決定のスピードを速め、調和と良好な関係を築くことに成功しました。彼は瞑想が「福祉国家を築くための穏やかでバランスの取れたエネルギーの貯水池を創り、公的生活における汚職に対する防波堤となる」ことを強調していました。
今日でも、多くの高官や上級公務員、政治家がヴィパッサナーコースに参加しています。彼らは技法の恩恵を体験した後、ヴィパッサナーを社会のための改革の道具として利用するアイデアを推進しています。
ラージャスターン州政府は、ヴィパッサナーを政府機関の改革手段として導入する先駆的な決定を下しました。最初のコースは、受刑者と刑務所職員を対象に行われ、素晴らしい結果をもたらしました。コースに参加した刑務所職員は、職務と責任に対する意識と慈愛の心を育みました。
初期に行われたコースの成功後、さまざまな階級の警察官や内務省、その他の政府機関を対象に数多くのコースが開催されました。参加者の行動パターンに深い影響を与え、彼らは自分の役割や職務の重要性を明確に理解し、社会への責任意識が高まりました。
ラージャスターン州政府の内務省の上級高官は、ヴィパッサナーコースに参加した後、部内改革を推進しました。その結果、書類業務の削減、迅速な意思決定、長年未処理だった業務の処理が進み、職員と上司の関係が改善されました。内務省に属する部門は再編され、訓練システムが効率化され、機能の効率化と信頼、調和の醸成が図られました。
マハラシュトラ州、マディヤ・プラデーシュ州、ラージャスターン州を含む多くの州政府が、職員に対して有給休暇を提供し、ヴィパッサナーコースへの参加を奨励しています。近年では、ラージャスターン州政府が、州およびその関連組織に属するすべての警察官、ジャイプール市内の各警察署の職員を含め、ヴィパッサナー瞑想コースへの参加を推奨する方針を決定しました。あわせて、ラージャスターン州公共行政研究所(RIPA)やラージャスターン警察学校などの研修機関においても、定期的にコースを開催することが決定されています。
現在、インドにおける公共行政のあらゆる階層において、上級行政官、裁判官、軍隊および警察の官僚、刑務所職員、林業官、監査官など、多くの人々がヴィパッサナーを実践しています。2001年および2002年に実施された大規模な調査(Parihar/VRI 2004)によれば、調査対象者の98%が、ヴィパッサナー・コースへの参加によって私生活および職業生活の両面で恩恵を受けたと報告しており、95%が、ヴィパッサナーが公共行政の改善に直接的な役割を果たすと回答しています。
今日、政府は社会に広範な役割を担っています。政府の性格や質は、政府を運営し、統制する人々によって形づくられます。したがって、そうした人々を人道的で、柔軟に対応できて、誠実さの高い人物となるように育成する必要があります。これを実現するには、単に管理スキルを教えるだけでは不十分です。必要なのは、心の持ち方そのものに変化をもたらすことです。そして、このことは人類にとって永遠の課題であり続けました。ヴィパッサナーは、そのような心の変容をもたらす力を備えています。
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